即身仏になるには想像を絶する程の修行を行う。
修行というか、死んでも体が腐らないための準備を何十年も前から行う。
まずは食事制限をして体の肉や脂肪を落とす。初めは米、麦、大豆などの五穀断ちをし、その後は十穀を断つ。
これを木食行といって最終的には木の実などだけにする。何日間という決まりはなく、体が骨と皮になるまで続ける。
体の脂肪が落ちたら次は漆を飲む。漆は体にとって毒なので、飲む事によって何度も嘔吐する。それによって体から水分を抜く。
さらに漆は抗菌効果も強いので、内側から防腐処理の意味もある。
生きているときから自らこの作業をし、腐らない体を作る。
いよいよ死期が近づいてきたら土を掘って石室を作り、その中に木棺を入れ、即身仏になる僧が入り弟子たちが埋める。
僧は土の中で一切の水と食料を絶ち、鈴を鳴らし読経を続ける。鈴の音が聞こえなくなったらそれを亡くなった合図とし、三か月以上置いて掘り起こす。
死ぬことで完成する即身仏と、生きたまま仏となる即身成仏とは少し違いはあるが、高野山の奥の院でいまだに禅定中であると言われる空海になぞらえ即身仏を志したものも多い。
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永遠と続くひまわり畑の中を歩く
第十番札所

切幡山の中腹に境内がある。
本堂に向かう途中、約800メートル、
333段の石段を上がらなければならない。
本当に333段あるのか数えようとする者もいたが、
真夏の熱気でそんな事はすぐ止めていた。
このお寺にも不思議な伝説がある。
空海がある乙女を得度させて灌頂を授けたら
乙女はたちまち即身成仏し、千手観音菩薩に変身した。
悟りを開き、生きたまま仏になったのだ。
真言密教の求めるもので、空海も晩年に即身成仏をした。
それを追い求め、自ら辛い修行をして即身仏(ミイラ)になった僧も多く、東北地方のお寺に安置され今でも多くの人々から崇められている。
高野山真言宗

千手観世音菩薩

開基 弘法大使

第9番札所から約5km
おん
 ばざらたらま
     きりく
第10番札所
得度山 灌頂院
切幡寺
欲心をただ一筋に切幡寺
後の世までの障りとぞなる

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